全国住まい情報ブログ

有期限付き」と称する建築

2011.11.11

大震災はまさに近代社会の安全神話が崩壊した「都市破壊」であったとすることができるだろう。震災は、都市や建築に対する、人々の固定観念を大きく揺るがした出来事である。単に安全神話が崩れたからではない。都市や建築は、これまで「壊れないもの」と人々に信じられていたのである。いつまでもそこにあり続けると信じられていた。しかしそれが壊れるという、思えばごく当たり前の事実を、震災は私たちに気づかせたのである。建築は壊れる。

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このことは意外にも、これまであまり考えられては来なかった。確かにバブル期には、絶え間のない建設と、そのための破壊があった。また現在でも至るところで、一〇年や一五年で取り壊す契約でつくられた「有期限付き」と称する建築が建ち続けているが、それは建築を積極的に消費(破壊)しようとするものである。しかし、そうした事情があったにもかかわらず、私たちは、建築は基本的には生産されるだけのものだと考えてきたのである。不要になったらいつも壊していたにもかかわらず、建築は、それが必要である限りは、ずっとそこにあり続けるものだと思っていたわけだ。これは建築家の側にしても同様であった。よほどのペシミストでもない限り、自身の作品を最初から壊れるものと想定してつくる建築家などいるはずがない。前提として仮設が求められていたか、あるいはその作家独自の思想的な説明を別にすれば、どの建築家も心の中では、自分の建てた作品はいつまでも存在し続けるだろうと考えている。